この話はぬるい性描写があります!
苦手な方はバック!
大丈夫な方はどうぞ!



























■□ 大好きな彼方との時間 □■


 床一面に散らばる紙。
 その紙のほとんどは重要書類であるのだが、この部屋の主とその主の膝の上に跨り座る少年にとってそれは至極どうでもよい事であった。

「ーっはっ」

 少し苦しげに息を詰めたのはこの部屋の主。
 主が己の膝の上で頬を染めている少年を軽く揺さぶるために足腰に力を込めると、足もとでガサリと紙のつぶれる音が小さく響いた。
 その音をさほど気にすることなく突きあげれば、少年の柔らかそうな唇から洩れる甘い嬌声。

「あ、ん…」

 一定のリズムを刻むように動けば少年の息は上がり、快楽に溺れた少年の灰銀の瞳は甘く揺らぐ。その眼尻から生理的に流れ落ちた雫を主が優しく舐めとれば、少年はビクリと体を震わせて短い息を吐いた。
 その熱い吐息は間近にいる主に当り、燃え上がる熱に更なる火力を与えた。少年の細く、己のよりも小さな体を包み込むように抱き締めれば、深く貫かれた少年はたまらず声を上げた。

「あ、コムイさん!コムイさん!!」

 上ずる少年の声に便乗するように弾む動き。コムイと呼ばれた主は、己の膝の上で乱れる少年を見ながら微笑んだ。
 
「アレン…く、ん……」

 愛おしげに少年の名を呼べば、少年ーアレンは快楽に侵された艶めかしい表情のまま微笑んで、コムイの少し薄い唇に吸いついた。
 息さえ奪うような口付けと、激しい性情にアレンの思考は崩れて行く。
 上り詰めるにつれコムイの腕に食い込むアレンの爪に愛しさを感じながら、コムイは共に上り詰める為に激しく動くのであった。



* * * * * * * * * *



「はぁ…はぁ…」

  膝の上に乗ったまま、コムイの肩に顔を埋めるアレンの息は未だ荒い。
 乱れていた服はいつものようにきっちりとしているのに、くたっとしたままのアレンだけが先ほどまでの激しい性情を物語っていた。
 アレンはコムイの首に頬を擦り付けるようにして甘えると、コムイはその甘えを優しく受け止める。幸せそうに灰銀を細めたアレンの少し硬い髪を優しく撫でれば、不意にアレンが頭を上げた。
 そして白髪に添えられたままであったコムイの甲に、アレンの白い指が触れた。いつもよりも少し高い体温が手の甲から伝わる。
 ゆっくりとした動作で手が誘導されて、アレンの頬がコムイの手にすり寄ってきた。いつもは真っ白な頬が真っ赤に染まっているため、やはりいつも以上に熱を持っていた。

「ぼく、こむいさんのて…すき…」

 未だ性情の心地よいけだるさが抜けていないアレンの言葉はいつもとは違いたどたどしい。
 手の感触を確かめるように頬ずりされて、コムイは微笑む。

「僕もアレン君の手、好きだよ?」
「え?」

 そう返されると思っていなかたのか、アレンがキョトン、とコムイを見つめた。
 そしてアレンは苦笑して、コムイの掌から指を離し、両手をコムイの前に広げた。

「傷だらけの、手なんて」

 白い手に残る戦いの痕。治り、消えていった傷も多い。痛みはとうに忘れた。
 女性ではないのだから悲しいと感じはしない。

「アレン君」

 傷と共に刻まれた記憶が引き出されそうになった瞬間、コムイの声がアレンを現実へと引き戻した。
 両手が暖かさに包まれたと気付いたのは少し経ったときであった。
 コムイの両手に包まれてしまった己の手。

「傷だらけでも、僕はそれごとアレン君が好きなんだよ」

 大好きな微笑みを浮かべたコムイに、アレンは少し気恥ずかしくなった。
 好きだと告げてくれる度に、名前を呼ばれ、微笑まれる度にコムイの事が好きになってゆくのを感じる。
 その感覚がまだ慣れなくて。でも嬉しくて幸せで。アレンは微笑んだ。

「大好きだよ、アレン」
「僕も大好きです、コムイ」

 なんとなく、呼び捨てにしてみたらお互いなんとなく気恥ずかしくなって、2人して笑った。

 大好きな時間が、続きますように。

 つながれた指先が、離れませんように。

 そう願いながら、愛しい時間は過ぎて行くのだった。

end........


■□ コメント □■

初、コムアレ!
実はコムアレ大好きだったりします!
でも…話が纏まりがなくなってしまったのが…悲しい!

09.01.14 冰魔 悟