触れ合った指先が、温もりを生む。

触れ合う肌が、優しい時間を生み出す。



■ 暖かな、君と ■



 弾む息、火照る体。全力疾走した後のように、激しく動く心臓。
 そして上に感じる人の重み。触れあう肌はしっとりと汗ばみ、今まで行われていた行為の激しさを示していた。
 心地よい気だるさが、アレンを包んでいた。
 不意に圧し掛かるように倒れていた神田がゆっくりと上半身を起こしアレンの両脇に腕を置いて体重を支える。神田が動いた事で漆黒の髪が背をすべり、アレンと神田だけの空間を作った。漆黒の空間に神田とアレンだけ。まるでそう錯覚するような状況に、アレンが笑む。
 その微笑みに誘われるように神田はその柔らかそうな唇を塞いだ。ただ触れ合うだけのフレンチキス。行為後のまったりとした時間を楽しむ様な神田の仕草に、アレンの心は極上の幸せに包まれる。  神田の首に腕を回せば口付けは深くなり、次の行為を誘発させる。
 軽い音を響かせて唇が離れて行き、見えた蒼が欲に揺れているのを見てアレンは笑う。
 それを証明するようにアレンの中で硬さを失っていた、神田のソレが芯を持ち始めている。意識をして締め付ければ、神田が一瞬その整った顔をしかめた。そして、にやりと笑う。

「珍しいじゃねぇか、てめぇから誘うなんて」
「ん…」

 一層固くなったソレを軽く揺すりながら神田が問えば、アレンからは答えではなく、甘い声だけが吐き出された。
 その声にさえあっさりと煽られた神田が、アレンの中で形を取り戻す。その瞬間をまざまざと感じ取ったアレンが、ぴくりと体を震わせる。先ほどの行為が終わってから間もないアレンの体は全身が性感帯のようになっており、どこに触れても反応を示す。それを承知でアレンの胸にキスを落とし、証をつけてゆけば、アレンのソレがゆっくりと形を取り戻す。
 神田は満足いくまで証をつけると最後の仕上げと言わんばかりに、アレンの胸の飾りに吸いついた。

「や、ぁぁっ!」
 
 途端アレンは嬌声を上げ、神田の頭を抱え込むようにしたまま体を固めるが、力の入らない腕では神田の動きを固定する事は出来ない。胸から与えられる快楽のためか、きつさを増したアレンの中に神田は息を詰めるが、口からアレンの柔らかな飾りを離す事はしなかった。飴をなめるようにねっとりと舐め上げれば、流石のアレンも身を振りだす。

「や、そこばっかぁ」

 先を足すようにも聞こえる言葉を、自分の都合のいいように受取った神田は、アレンの胸の飾りから唇を離すとゆっくりと起き上がる。動作と共にアレンの真っ白な太ももを触ると、足がぶるりと震えた。  体制を整えるべくアレンの両足を持ちあげれば、結合部から生々しい水音が響き、アレンの赤い頬が、さらに紅く染まる。

「いまさらだろ?」
「うー。そう、なんですけど…ぁっ」

 ぐちゅり、とわざと音を立てながらゆっくりと律動すれば、アレンは小さく嬌声をもらしシーツを握りしめた。
 すぐに上り詰める気のない神田は、震える太股にキスと痕を器用に残し、アレンに快楽を与えて行く。
 焦らすような快楽にアレンはもどかしげに身を振った。そしてゆっくりと律動を続ける神田に腕を伸ばし、漆黒の髪に指を絡めて弱く引いた。思いがけないアレンの行動に思わず引かれるがまま上半身を折り曲げた時。

「かんだぁ…おねが…焦らすのやぁ…」

 甘い甘い声音が神田の欲を揺さぶった。神田の口元が弧を描く。目の前の薄く開かれた唇に、噛みつくようなキスを仕掛けた。同時にアレンの足を思い切り持ち上げ、まんぐりがえしの状態にすると、上から叩きつけるように激しい律動を開始した。

「ふ、んん!んぁ!!かんだぁぁ!はげし…イクっ……ダメ、イッちゃう!!」

 与えられた強い快楽に、アレンは一瞬にして溺れた。1回目以上に敏感になっている場所を激しく擦られ突きあげられて、嬌声を抑える事が出来ずにただ喘いだ。  アレンが快楽しか感じる事の出来なくなると、神田を受け入れている場所の伸縮が激しくなる。まるで女のソレのような動きをするようになったアレンの中に、神田は息を乱しながら律動を更に早める。  そして耳元に唇を寄せて、アレンの腰骨に響くような低い声で囁く。

「はっ、い、いいぜ。イケよ。アレン」
「あ、ぁぁぁ、イク、イクっ!!かんだぁぁぁ!!」
「―っ!!」 

 絶頂を極めたアレンの中に流されるように、神田も最奥まで突き上げると果てた。
 ビクリ、ビクリと引きつりながら数回に分けて吐き出される神田の焼けるように熱い欲を最奥で感じながら、アレンの意識は落ちて行った。










「…ぁ?」

 目蓋の向こうに明るさを感じ意識が浮上する。起きるのを拒むように重い瞼を上げれば、薄らと明るい室内が映った。窓の外は朝焼けに染まっている事から、朝が近い事を知る。
 ぼんやりとした意識のまま、もう一度寝ようと結論を出した神田は、隣に居るアレンを引き寄せようとして、気付く。

「……?モヤシ?」

 伸ばした手が触れるのは、冷たいシーツのみ。そこに温かみさえなかった。
 一瞬にして思考が覚醒し、勢いよく起き上がる。そして布団を勢いよく剥がしてようやくアレンが居ないという事を、現実として認知した。
 ありえないと思いつつ、ベッドの下を覗くが、アレンの姿はなかった。
 アレンと関係を持ち、付き合い始めてから、共に朝を迎えない日など一度たりともなかった。
 シーツが冷たくなるほど前にアレンが出て行ったのを理解すると同時に、枕もとに紙が置いてある事に気づき手に取った。
 しっかりと折られた紙は、アレンからの手紙であった。


 ― 神田へ
    すみません。早朝から任務が入っていたんですけど…
    神田は任務の前は、その…しないじゃないですか。
    我慢出来なかったんです!
    以上!
    行ってきます!
    2.3日中には戻れるように頑張りますから、戻ってきたら
    また泊めてください。

                               アレン


「馬鹿モヤシが……」

 爆弾発言とも取れるような内容の手紙に、思わず緩む口元を隠すように手をあてた。
 アレンが帰ってくるまで、あと3日。


 END......


■□ コメント □■ 

 神アレエロ第二段★半アレン君の誘い受け★
 エロって難しいですよね。
 もっとやらしくしたいんですけど…ムズイ…。

09.05.11 冰魔 悟
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